2018
05.29

小さな小さな新しい経済圏の体験会~after nemcafe

現地レポ

2018年5月26日(土)、天気は雨のち曇りのち快晴、日本の福岡市でnemcafeというNEMコミュニティ主体の1日限定のイベントを行いました。

「小さな小さな新しい経済圏の体験会」をテーマに掲げ、XEMで何かを買ったり売ったり、コーヒーを飲んだり、ホットドッグやジェラートを食べたり、機械を動かしてみたり、アートを眺めたり、優秀な開発者の未来を見つめたりする空間を作りました。

もしかすると日本円決済だったら出会えなかったかもしれない機会を、NEM決済をきっかけに「体験」し、NEMを通して新しい物事やアイデア人とのつながりを発見していただくことを狙いとしました。メイン会場の支払いはすべてXEMのみでした。

それでは、今からnemcafeの思い出を振り返ってみたいと思います。

最後に主催者からのまとめとメッセージがあります。よろしければお読みください。

nemcafe

入場はチケット制で2部に分けて開催しました。


第一部のnemcafeは、カフェやマルシェ、”NEMCON!”という名のNEMアプリケーションのコンテスト発表会などが行われ、200枚以上のチケットが30時間で完売しました。

第二部のnemcafe nightは主催者からの感謝企画として、日本各地から集まったNEMberとともにパーティーを行いました。100枚以上のチケットが2時間で完売しました。

NEM展

入口に続く階段には、NEMの誕生やロゴの意味、世界に広がるネットワークを紹介する簡単な展示を行いました。

受付

来場者にはプレゼントとして、デニム製トートバッグ、革製コースター、パンフレット、ポストカード、シール、ペットボトルウォーターが贈られました。


女性やお子様には手持ちのバルーンもプレゼントされました。

先着100名にはnemcafeオリジナルうちわが配られました。2017年に日本各地で認知拡大のため、NEMうちわ配りを行った緑の服の彼により1つ1つ配って頂きました。

nemcafeメニュー

エスプレッソマシーンをレンタルし、バリスタ経験もあるニンヂャ氏が本格的なコーヒーを煎れました。ディスプレイや備品などカフェ周りについてはすべて彼のこだわりに一任されましたが、最高のカフェ空間が完成していました。

メニューはカフェラテやカプチーノ、アイスコーヒーやアフォガートなど11種類。すべて1杯8.33XEM(約250円)で販売しました。

メニューの中でも特別だったのはストロベリーカプチーノ。福岡県のブランド苺「あまおう」を栽培・販売している梅田農園さんのあまおうシロップとドライストロベリーを使ったメニューを提供しました。梅田農園さんもNEM決済に対応しています。

時間限定で、コーヒーを注文するとNEMイヤホンジャックやあまおうどら焼きが貰えるタイムサービスもあり終始盛り上がっていました。

カフェを彩ってくれたのは、バルーンギフトを取り扱っている「パピーバルーン」さん、オーダーメイドでフラワーギフトを製作・販売している「ayakokakoi FlowerDesign」さん、ブラックボードデザインは今回カメラマンとしても動き回ってくれた、博多ラーメンの「屋台けいじ」さんです。

こだわりのフードメニュー

別会場として臨時営業して頂いたメイン会場から近くのレストラン「エヌクォド(n.quad)」さんでは、3品の特別フードメニューをNEM決済で提供して頂きました。

普段は博多でNEM決済も対応しているアパレルショップ「equal」から、素材にこだわったホットドッグ(プレーンもしくはチーズソース)

あまおう農家の梅田農園さんとのコラボレーションであまおうジェラート

エヌクォドさんからは、ファグラ最中、ヤングコーンのオーブン焼き、和牛スジ肉のワイン煮込みを準備して頂きました。

nemcafe運営ブース

ガチャ「富の再分配」

NEMが採用するPoI(Proof of Importance)というコンセンサスアルゴリズム(取引が発生した時に不正がないかどうかをチェックする合意形成方法)には、ハーベスティング(ノードがブロックを計算して、ブロックチェーンに追加するプロセス)を通じた報酬制度があります。

ハーベスティングでは1回あたりどのくらいの報酬を得られるかには運の要素もあることから、それをモチーフにしたガチャを先着100名に用意し、カプセル内のマグネットバッヂの種類により20~70XEMが当たりました。

もしハズレてもポテトチップスが貰えたので、ゼロ報酬の場合もあるNEMのハーベスティングよりは優れた仕組みでした(笑)

販売した商品

nemcafeブースでは様々な商品を販売しました。現地に出店できない販売者から商品と支払い先のアドレスを預かった委託販売では、NEMアクセサリーNEMクッキー手作りの石鹸やお茶暗号通貨をコンセプトにしたデザインTシャツを代理で販売しました。

普段NEM決済を導入しているお店から、お米と味噌ハチミツカステラをXEMで仕入れてXEMで販売することにも挑戦しました。

NEM決済を取り入れている焼肉店「炭火焼肉たむら」やラーメン店「屋台けいじ」の食事券の販売も行いました。NEM決済をより多くの人に体験してもらうため、ほぼ定価で仕入れた食事券を半額くらいで販売しました。

NEM決済できる場面がもっと多くの分野で実現し、世界中の多くの人々が喜ぶ瞬間が増えることを願います。

また、1回7XEM(約210円)でお菓子のつかみ取りや、オリジナルデザインのサーモボトル、仮想通貨ボードゲーム「THE仮想通貨」、ねむぐま屋のハンドメイドNEMキーホルダーも販売しました。

来場者サービス

ウォレットをインストールできていない初心者の来場者のため、設定をお手伝いするサービスも設置しました。見事インストールできた方には少額のXEMをプレゼントし、取引所に行かなくてもすぐにNEM決済を体験していただけるよう準備しました。10名の方が利用されました。

自分のお店にNEM決済を導入したい!という人のための相談窓口も用意し、有志らにより作られた「NEM決済導入ガイド」を進呈しました。全50ページもある充実したガイドです(日本国内向け)

ガイドを受け取った方のほぼすべてが自身でNEM決済を導入したいというよりも、どのように導入したら良いのかを知りたい層だったとのことです。知人の店舗などへ配布したいというNEM経済圏を広めたいという人々が受け取ったようで、ガイドが伝道書のような形で人をつないでくれるかもしれません。実店舗だけでなく、ECサイトへの導入方法を求める声もあったようです。

全国から集まったNEM決済ショップ

今回nemcafeでは日本各地から集まった11のさまざまなジャンルのショップがマルシェ空間を賑わせくれました。

モザイクにも対応したNEM決済自動販売メカ体験、nem飴とnem紅茶も販売、Candy Mechatronics

世界中に足を運び厳選したアイテムを販売、peach&c.r.e.a.m.

栃木レザーのハンドメイド革製品・ペットグッズを製作、&©(アンドシー)

完熟あまおうジャム・シロップ・ドライストロベリーを販売、UMEDAFARM

スペインバルセロナのスニーカーメーカーBCNbrandを販売、Lifoot

東白川村の新名物!お茶の力で誕生した無添加ハムと白川茶製品とつちのこグッズを販売、茶蔵ハム

ハンドメイドアクセサリーを販売、bello:MOS

保護猫活動のための募金実施に加え寄付目的のNEM猫グッズを販売、NEM猫プロジェクト

今回のnemcafes出店で、合計約5,000XEM分の寄付が集まり福岡の保護猫団体「猫子堂」に贈られます(経費分を除く)

食卓に笑顔を添える器作りをコンセプトに、白磁を中心としたオリジナルの波佐見焼を製作・販売、わんこうぼう

NEM関連のアパレルを販売、「千里眼の冷やし中華おいしい!

決済通貨NEM一択のECサイトXEM専+静岡県物産厳選品のコラボ、XEM専+静岡物産展

NEM決済専門、いや暗号通貨決済のみによる地域物産展は日本初。主催の要望を快く引き受けて頂いたXEM専さんのご尽力により実現しました。中でも、クリームパン饅頭は「えっ!w」ってなる美味しさでした。

子どもたちで企画・運営したNEM決済店

福岡県内11か所で開講している、子どもプログラミング教室ITeens Lab.主体で、企画から運営まで子どもたちが実行したNEM決済の駄菓子屋を展開しました。店名は「we are Next Expected Moon」、これも彼らが名付けました。

収支計画や商品選定まで本格的に準備を行い、当日は2チーム交代制で大人顔負けの接客でイベントを盛り上げていました。

開発者コンテストNEMCON!

NEMを楽しく使いたくなるようなアプリケーションの作成をテーマとしたNEM開発者コンテスト「NEMCON!」を行いました。最終エントリー14作品でWEB投票を行い、もっとも多く票を獲得した上位5作品をノミネート作品とし、会場でプレゼンと最終順位の結果発表を行いました。特別賞として、トレスト賞とnemcafe賞も用意しました。

グランプリに輝いたのはNEM完全対応したウォレットアプリ「RaccoonWallet」、2つの特別賞にも選ばれ見事三冠を達成し賞金総額およそ80万円分のXEMやCMS:XEMを手にし、会場では大きな拍手と歓声が巻き起こっていました。

その他の作品はこちらでご覧いただけます。

アート作品の展示

「NEMで世界が近くなる」をテーマに、世界を舞台にしたNEMネットワークが創り出す新しい経済圏をイメージした作品「New Economy Movement」をぷちくんに描いて頂きパネル展示しました。日本各地の名所、世界各地の名所が描かれており、配色もNEMカラーがベースになっていました。ポストカードをお持ちなら見てみてください。

また、その周りにはモザイクと紐づけられたアート作品のコンテスト「モザワン」にて、トレスト賞に選ばれた15作品他、全25作のアートパネルを展示しました。

会場で発生したトランザクションを拾ったデジタルアート「NEM TREE」を次のようなコンセプトでプロジェクターで投影展示しました。

“支払いが発生すると、NEMのブロック生成までの1分の間にオブジェクトが根から様々な線を通りNEM TREEに到達。NEM TREEに花が咲いたと同時にブロック生成が完了。その花は散っていき、養分となり、再びNEM TREEに繋がっていく”

nemcafe night

19時より、ホテル「WITH THE STYLE FUKUOKA」に会場を移し、スタッフや出店者さんも交えた170名近くで盛大にパーティを行いました。

豪華なビュッフェと飲み放題のドリンク、豪華賞品が当たるビンゴ大会(途中、不測の事態によりじゃんけんバトルに変更)など、全国各地から集まったNEMberたちが時間が過ぎるのを忘れて大いに楽しんでいたようです。

最後に

イベントを主催して強く再確認したことがあります。結局、人間なんだと。

暗号(仮想)通貨界隈では目先の投機利益を求める感情が日に日に広く強くなっており、私自身も最初はそれ目的のみで2016年にこの世界に足を踏み入れましたし、その頃から必ずやってくるトレンドだと申しておりました。人の欲望は無限大なのでそれそのものを悪くいうつもりは毛頭なく、ごく自然な流れだと思って見てます。

しかし、暗号通貨というのは、大袈裟かもしれませんが人類にとって革命的な技術であり、また文化でもあると思っていて、それらをより良い方向に導くのは我々人間ですので、ぜひこちら側にも強い関心を向けていただきたいと切に願います。

その結果、市場価値というのが向こうからすり寄って底固めをしていくものだと思うからです。だから、ただチャートを見つめてウワサ話に右往左往し、価格の上下に一喜一憂するだけなのは、精神的にも金銭的にもより豊かな生活を送りたい人にとっては、この世界においては非常にもったいないと思うのです。

我々パブリックコミュニティが分散し、また主体となって、その技術や文化を人と人とのつながりを通して成長させ新しい経済圏を創っていく、まさにNEMの原型である「New Economy Movement」なのですが、NEM界隈では着実に現実化されていると実感しています。

冒頭に書きましたように、nemcafeでは「小さな小さな新しい経済圏の体験会」をテーマに掲げました。新しい技術や文化に触れながら、モノをNEMで買ったり売ったり、飲食のためのNEM決済が138m²の空間でNEMネットワークを介して飛び交いました。

人が動いて創るものなので雇用の真似事的にスタッフや出店者さんには心付け程度のXEMを贈りました。金銭目的で参加したスタッフは誰一人いません。しかし、主催としてそこまでやらなければ、掲げたテーマを成り立たせるにあたって本質を捉え切れないと感じたのです。

nemcafeでの運営収益はすべて今後のNEM関連の活動費として消化させます。その1つがこちらで発表した出張nemcafeです。世界各地のNEMミートアップやイベントに向けて、nemcafeオリジナルカップとドリンク代の進呈を行います。

今後、nemcafeを超えてくるNEMのイベントを誰かが行ってくれることを期待しています。小さくても各地でNEMを盛り上げるような企画が起こることも期待しています。NEM決済を導入する店舗やオンラインショップ、サービスが増えることを期待します。それらをつなぐツールが深みを得て登場してくることを期待しています。

また、NEMだけに限らず他の暗号通貨コミュニティでもわずかでも参考になることがあればぜひ真似をして、目先の売買に躍起になるだけではない形で経済圏の発展を成し遂げて欲しいというメッセージも込めたつもりです。

最後に、入金のみに絞り込みますと、イベント営業時間内で11時から16時ごろの間に発生したnemcafe関連のトランザクション合計は764回、32,039.87XEMとなりました。

それらはすべて小さな小さな1日限りの経済圏で起こった、人と人とのコミュニケーションの軌跡です。フィクションではありません。明日につなげていきましょう。~トレスト

※この文章を後日全文英訳し世界に伝えようと思います。